届かぬ想い
11月25日 合コンで
「朔也くんって、彼女とかたくさんいるんでしょう?」
目の前の女は、上目使いに甘ったるい声で質問する。
「やだなぁ。たくさんなんていないよ」
そして、微笑む。
最近ずいぶんとご無沙汰だったし、今日ぐらいは持ち帰っておくかと狙いを定める。
「えーだってすごいもてそうだし」
まぁね、
でも欲しい女にはずいぶんと嫌われたけど
「そんなことないよ、俺って案外寂しいヤツなんだよ」
「えー見えなぁーい」
「……慰めてくれる?」
甘い声で耳元で囁いて、
これで、いただきだな。
「…楽しかったよ」
まどろんでる女をホテルにおいたまま帰る俺。
で、結局満たされるのはその時の体だけで
心は満たされないまま、 ただこんなことを繰り返す。
こんなこと、空しいだけだってわかってる
だけど、一瞬でも埋めてくれるなにかが俺には必要だった。
たとえそれが愛なんかじゃない
偽りのそんな時間だとしても