届かぬ想い


「昨日はお疲れ」

「おつかれー」


昨日幹事だった奴に声をかける。


「朔也、途中でいなくなるから、残ってた女どもに俺、マジで怒られた」

「はは、ごめん。久しぶりにいただいてた」


悪びれることもなく言う俺に、


「今度はせめて二次会まではいて」

「了解」


気分次第だけど

なるべく努力らしいことはしてみるよ




「よ、優太」

「あ!朔也久しぶりダネ」


9月の講義室で見たときよりは断然元気になっていた優太がいた。

その表情にほっとして、

……また少し胸の奥が痛んだ。
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