届かぬ想い
俺の腕の中で眠るアヤノ。


顔にかかる髪を一房つまみ横に流す。


事の後、女と一緒にベッドにいるのなんて初めてで、

こうして寝顔を見つめて幸せを感じるなんて事ももちろん初めてだった。


「アヤノ……」


そう呼んで口づけて、感触を味わう。



アヤノがすべてのきっかけをくれた。

いつかそれを言う日が来るだろう。


でも今は、甘い欲に溺れていたい。


「ミレイ、起きて」

「……ん」


無理に起こして、またアヤノを貪る。


「か、神代く…」


まだそんな呼び方するから、イライラして噛みつくように口づけた。

俺の下でジタバタしてるアヤノ


「ミレイ……」
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