届かぬ想い
1月1日 早朝 東京 ホテルで
「ミレイ、聞きたいことがある」
「何?」
「俺のアドレス誰に聞いたの?」
「優太、だけど?」
あぁ、やっぱり。
こんな時でも、アヤノから優太の名前を聞くとどす黒い感情が現れる。
「ほら、神代くんも行ったことあるでしょう?ジュンの家の近くの居酒屋」
「あぁ、あそこね。まだあんの?」
「帰ってきてから優太に連絡いれたらちょうど飲み会あるからって」
「……そう」
「神代くんの居場所、教えてもらおうと思ったの…」
「え?」
「ついでなんかじゃないの、神代くんに会いたくて帰ってきたの……」
あれ、ヤバイ。
なにこれ、朝からまたそんな可愛いこと言うとか
「ミレイ、俺の事相当好きだよね?」
「……。」
俯いて、手を握りしめるアヤノ。
「そうよ、悪い?」
そんな強がるアヤノも可愛くて、
今までよりももっとアヤノが愛しい。
「でも、俺の方が好きだから」
だからずっとそばにいて……