届かぬ想い
それから、二人でホテルに戻った。


「ミレイ?何で家あるのにホテルに泊まってるの?」

「……から」

「え?」

「……神代くんなら、きっと終電でも来てくれると思ったの。だから、」

「うん」

「どうしても、……すぐに会いたかったから」


可愛いアヤノ。

いつその気持ちに気づいてくれたんだろうか?

いなくなってから三年経つのに気づかなかったとか、

……でも、


「俺も、ずっと会いたかったよ?」

「だから、神代くん甘いったら……」

「…俺ね、一年のうちに休みって三日だけなんだよね。」


レストランが休日になるのはこの三日だけ。

他に講習やら、取材やらあるけど、それでも店は休みじゃないからいつでも連絡は取れるようにしてある。

だから本当に落ち着いて休めると言う意味では三日。


「え?」

「だから、頑張ったご褒美くれたみたいですごい嬉しい」
< 67 / 79 >

この作品をシェア

pagetop