届かぬ想い

「あー、そういえば純哉とあの彼女、桃華ちゃんていうんだけどね。付き合うことになったんだって」

「そうなのね、でも彼女はここに住んでるのよね？」

「うん、そう」

「遠距離になるのね」

「そうだね」

「最初から遠距離って大変よね？」

「まぁ、俺たちと一緒？」

「そうだけど、」

「ま、たぶん。純哉が我慢できなくて連れてくと思うよ？」


本当は今すぐにだって連れて行きたいのが見え見えで、前よりも過保護に拍車がかかってた。

用意周到で今回もここまで桃華ちゃんに秘密で計画を進めてきた。

そんな純哉だし、ある日突然自分の元に連れて帰っても不思議はない。


「ほんと、人って変わるものね」

「きっとね、何でも叶えてあげるよとか、オッサンみたいなこと言ってるよ」

「うわぁ、それもすごそうだわ」


だけど、好きな女のためならなんだってできそうな気がするよ。俺も。


「機会があったら桃華ちゃん紹介するよ」

「そうね」

「たぶん、ミレイが今までにあったことないタイプだと思うよ」

「それは楽しみね」


タイプは全然違うけど、案外仲良くなれるんじゃないかな？