届かぬ想い


「その儀式は今度にして、今はアヤノをちょうだい…?」

「……言ったでしょう?全部あげるって」


間近で俺を見つめるアヤノ。

派手で華やかでイヤミなほど整った顔のアヤノ。

そして妖艶な笑みを浮かべて俺だけに微笑みかけてる。


「ミレイでいっぱいにさせてよ…」


ミレイしかいらない


この先もずっと―――





初めてアヤノを手に入れたときより

信頼関係が出来てきた今の方がもっと満たされる。


ただ欲望のまま繋がるそれとは違い、

あきらかに心ごと満たされる。


こんな幸せなことを知らずにこの年になってしまった俺。
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