惚れやすいんです、あたし
「じゃあ、土曜日は宜しくって事で」
坂本くんはそう言って先に教室に入ってしまった。
……デート。
坂本くんとデートの約束をしてしまった。
「青春だなー」
はっ、この声は…っ、
振り返るとやはりそこには涼介くんがいた。
「なに、聞いてたの?盗み聞き?」
「たまたま聞こえてきたんだよ。土曜日は坂本とデートか〜。いいじゃん」
ニヤニヤする涼介くん。
「……涼介くんもデートすればいいじゃん」
「誰とだよ、そんな相手いねーし」
ふーん。
まだできてないんだ、彼女。
…って、何安心してるんだか。
「今回は頑張れよ、坂本いい奴だし」
「………」
「優?」
「ん?あ、うん…そだね…」