惚れやすいんです、あたし
*
「ねね、涼介くん!やっぱり初デートだとスキニーの方がいい?」
そして、家では恒例の涼介くんとの服装決め。
「そうだな」
「よし!じゃあ決まりっと」
坂本くんとのデートは春らしく白のブラウスにスキニーでシンプルで行こう。
それより…
「ねぇ涼介くん。なんか疲れてる?」
さっきから返答が適当な気がする。
「んー、あぁ…ちょっとな」
「もしかして放課後の美玲ちゃんの勉強まだ続けてたりするの?」
遠足の日が終わってから、毎日のように美玲ちゃんは放課後涼介くんにベッタリだ。
「まぁな」
「そんなの…っ、涼介くんが無理してやる事じゃないよ。涼介くんはこの3週間教育実習に、あたしの勉強だって教えてるんだからっ」
「でも、教えて欲しいって。俺はやっぱり教えてやりたい」
涼介くん….
「でも、無理しちゃダメだよ?」
「……」
「い、今は休憩してていいからさ!」
「……」
え、なになになに。
なんで急に黙っちゃうの?