惚れやすいんです、あたし
そして放課後。
「優、あたし委員会の集まりあるから先帰ってていいからね!」
「ううん、あたし今日カテキョないし暇だから教室で待ってるわ」
「本当にいいの?」
「いいよいいよ、はいっ、いってらっしゃい!」
軽く胡桃の背中を押し、委員会に行かせた。
一輝くんとは会う予定さらさらないし、家帰っても暇だしな。
1人、教室の窓際の席でボーッとしてみる。
窓を見るとサッカー部や野球部が練習をしているのが丸見えな最高な席。
「青春だな…」
放課後のこの席からの眺めはなかなか最高。
すると、ピコンッ とあたしの携帯が鳴った。
画面を見るとーー、
"一輝くん"の文字。
「えっ、」
久々の一輝くんからの連絡に胸が高鳴った。
嬉しい。そう素直に思ってしまった自分はバカなのだろうか。
つい数時間前までは、嫌いになりそうだなんて言っていたのに。
単純過ぎて笑える。