続*もう一度君にキスしたかった

店舗にクレーム。
内容にもよるが、それは然程珍しいことじゃない。


店で対応できる範囲ならそれぞれで対応して、責任者をと言われて店長で収まれば後で報告だけ上がってくる。
更に上を、と言われた場合、もしくは内容が店ではどうすることもできない場合は至急で私たちエリアマネージャーに連絡がくるのだ。


本当にこちらが悪い場合と、案外八つ当たりのような客側の言いがかりのようなものもある。


さて、今回は、といえば。


『申し訳ありません』


電話口の向こうで、店長であるカナちゃんの神妙な声を聞く。


店舗から配送で出した商品の熨斗紙に不備があったという。
名前の漢字が間違っていた、という話で、明日の法事でお供えとして使う予定だという。


販売員の確認不足のようで、完全にこちらのミスだった。


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