続*もう一度君にキスしたかった
「あー、吉住さん?」
「間宮さん。お久しぶりです」
一瞬目を見開いた彼は、前屈みのまま破顔する。
私もいつものパンツスーツじゃないので、イメージが違ったらしい。
「私服だとイメージ違うね、一瞬誰だかわからなかったよ」
「お互い様です。息子さんですか?」
「そう。翔《かける》、挨拶は?」
両脇を抱えていた手を離し、ぽんっと男の子の頭に手を置く。
すると、ぴっと背筋を伸ばしてから、とても丁寧にお辞儀をして、少し舌っ足らずな発音でご挨拶をしてくれた。
「まみやかけるです。ぶどうさんです」
「ははっ。保育園でぶどう組だから」
なるほど、ぶどう組さん。
というか……。
めちゃくちゃ可愛い!
目がきらっきらしてる!
「パパそっくりですね!」
「よく言われる」
しゃがみ込んで目線の高さを同じにすると、くりっくりの目がますます大きく見開かれて、ぷっくりした頬に頬ずりしたくなるような可愛らしさだった。