続*もう一度君にキスしたかった
「申し訳ございません。マネージャーの私の責任です」
「女はいいな、そうやってしおらしく謝ればどうにかなると思ってんだろうが」
一目見た時から、いらいらとして神経質そうな表情はしていたが、その印象の通り、苛立ちをぶつけるはけ口を見つけたかのように男性の罵りは暫く続いた。
膝に額が付くほど頭を下げ続け、相手の声から怒気がおさまるのを耳を澄まして待つ。
「販売員には今後、確認作業を徹底させるつもりです。このような失礼なことは二度と起こしません。こちらの玄関先をお借り出来ればすぐにお包み直し致します」
さすがに、ここまで言われなければいけないことだろうか、と悔しさが滲むのを、下げた頭で隠し唇を噛み締めていた。
数秒の沈黙のあと、足音が一度遠ざかったかと思うと。
どさ、と目の前で、大きなものを置く音がした。