続*もう一度君にキスしたかった
少し顔を上げれば、包装され上熨斗がなされた四角い箱が置かれていた。
サイズでわかる、うちのジュレの箱だ。
「さっさとやれ。俺は奥に居るからな」
「ありがとうございます! すぐに!」
もう一度深くお辞儀をして、早速その箱に手を伸ばし引き寄せると、持ってきたショップバッグから包装紙と熨斗、テープカッターを取り出した。
許されたわけでは無さそうだけれど、これでやっと作業に入れる。
ほっと安堵のため息を吐くと、ちらりと腕時計を見た。
今が、六時半。
ひとつひとつ解いて包んで……急げば四十分ほどで出来るだろうか。
もしかしたら、早く帰ってきてくれているかもしれない人のことが、どうしても頭から離れないが、今はそれは無理矢理隅へと押しやった。
私は急いで熨斗と包装を解いていった。