続*もう一度君にキスしたかった

「なんで俯くの？」

「え、だって……なんか恥ずかしい。そんな壊れ物扱うみたいにしなくても、簡単に壊れないから」


嬉しくないはずはないのだけど、大事にされ過ぎるというのもどう反応したらいいのかわからなくて、照れ隠しで言ったのだ。


だけど、彼の目がきょとんと丸くなってから、妖艶に細められ、私の言葉が意図せぬ方向に働いてしまったことを知る。


「それは、つまり」

「えっ」

「もっと、激しくしてもいいってことかな」


彼の両手に私の手首は掴まって、そのまま覆いかぶさるように真後ろに押し倒された。


「ち、ちがいますっ！　そう言う意味じゃ」

「ごめんね、もしかしたら今まで物足りなかったかな」


ちゅ、ちゅっと首筋の肌を唇で遊びながら、彼が「手加減し過ぎたね」と恐ろしいことを言う。
違うそうじゃない。
全く伝わってない。


「そういう意味じゃないですってば！」

「ベッドの上であんなこと言われたらそう言う意味にしか受け取らないよ」


受け取らない！
受け取れない、じゃなくて受け取らない、って言った！