続*もう一度君にキスしたかった
戦う女
寝起きのせいで若干の混乱と動揺もあったが、深呼吸をしてよく考えてみれば朝比奈さんに限って浮気なんてことはない。
と、私は信じている。


だから疑ったりなどは、していない。


だが、しかし。
朝比奈さんのことは信用していても、私はそれに甘んじていてもいけないと常々感じている。


だって、朝比奈さんはモテる。
本社においては、懸念していた通り私が彼女だと知られてから何人か告白したというのは噂で聞いた。


それも暫くしてなくなったが、朝比奈さんがきっぱりとお断りしてくれているから、そのおかげだと思う。


私は舐められている、そのことに変わりはない。


これからもしかすると、それでもめげない、第二第三の倉野さんのような人だっているかもしれない。


私はその時毅然として、堂々と彼女として名乗れる人間でありたいと思う。


かろうじて手を止め、スマホを盗み見るような真似をしなかった自分にほっと安堵した。

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