続*もう一度君にキスしたかった


大学時代の付き合いだとか先輩後輩だとか、そういった人間関係に女の人が居たからといって、その付き合い方にとやかく言う彼女にはなりたくない。


朝比奈さんにとって、『先輩』であるなら大事な人間関係だと思うし、心配はしていなかった。


ただ、ちょっとばかし女の勘が働いた。


多分その木藤さんが「次にいつ来るのか」と以前にも聞いたにも関わらずメッセージで尋ねてきたのはわざとじゃないのか、と。


朝比奈さんにはまるきりそんなつもりはなくとも、向こうはそうとは限らない。


だからといって、朝比奈さんに気を付けろだとか言うつもりはない。


私にできることは、自分が彼女だと堂々としていることと、そして朝比奈さんと一緒に居る時間を大事にすること。
優等生ぽい発言かきれいごとかもしれないけれど、きれいごとっていうのは理想だと思うし、理想は目指すものだと思う。


恋は、戦いだ。


たとえ向こうに何か仕掛けられても、揺るがない土台作りは必要。
それが出来なかったのが三年前なのだ。

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