続*もう一度君にキスしたかった
このまま一緒に住むのもいいのかなあ、なんて思い始めている。


多分そう遠くない未来、私は彼の甘い囁きに折れてここに拠点を移すだろう。
キッチンに戻り彼が綺麗に平らげてくれた食器を見て、それも悪くないと思わず口元が緩んでいた。


三年前、私たちは一度別れて、互いにいくつかの後悔を抱えた。


時を止めたままだった想いが、再会と同時に動き出し、思い出すことすら避けていた過去の恋を辿り。
後悔は、更に増えた。


もっと、あの時こうしていたら。
だけど、それは今だから言えることでもある。


私がそう思ったように、彼にも思うところがあったようで、三年前は余り聞くことがなかった言葉をよく口にする。


『すきだよ』
『可愛い』
『愛してる』


嬉しいけれど物には限度がある。
たまに往来でも言うので考え物だ。

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