続*もう一度君にキスしたかった
「木藤さんは……またマネージャーやりたいと思いますか?」
「……そうね。マネージャー、と言わず……やっぱり、店舗だとか売上だとか、そういうのに関わった仕事をしたいという気持ちはあるの。やりがいあるしね。でも、いざ体制整えてもらってお膳立てされて……その時になってやっぱりできません、なんて通じないものね」
表情を少し翳らせ、目を伏せた。
怖くて当然だと思う、例え朝比奈さんがどういう体制を整えてくれたとしたって。
「木藤さんの気持ちが一番だと思います。朝比奈さんは無理強いしたりはしないと思うけど……」
「うん、もちろん。朝比奈さんも多分、今回私を連れて歩いてたのはその意志を確かめる為だったと思うから……なんだかんだ、鬼の朝比奈なんて呼ばれても優しいよねえ。いい男になったなあ」
頬杖をついてしみじみと、彼女が言う。
私の知らない、大学の頃の朝比奈さんを彼女は知ってる、そう思うと当然少し、やっかむ気持ちはある。
だけど、それを上回る気持ちが、ある。
「……良かったです」
「え?」
「朝比奈さんが、怖いだけじゃない、本当は優しいって知ってくれる人がこっちにも居てくれて」