綺麗な顔をした悪魔
プロローグ
「私・・・夏蓮君の事が好きです!良かったら私とお付き合いして下さい・・・・・・!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「あ、の・・・・・・夏蓮君、返事は・・・・・・??」
「え、今のに僕は返事をしないといけないの?」
「え⁉」
あーあ、あの子可哀想に・・・今の告白じゃあダメだよ・・・。
「だってキミさぁ、さっきね、"良かったら私とお付き合いして下さい"って言ったよね?それってつまり、僕がキミとお付き合いしたいと思ったら返事をすればいいわけでしょ?」
「え・・・・・・?」
ほらね、アイツならそう言うと思った。
「残念でした。僕はキミの事がこれっぽっちも好きではありませーん。てゆーか、アンタみたいな馬鹿女が僕と付き合いたい?夢見るのも大概にしとけよな。ブァーーカ!」
これは、ヒドイ。アイツ、今、間違いなく不機嫌だな。
「・・・・・・・・・・・・・⁉」
おー、あまりのショックに直立不動で気絶してるよ。マジで御愁傷様です。
「ねぇ、愛翔(まなと)聞いてるんでしょ?」
あれー、バレちゃいました?
「ごっめーん。つい、聞いちゃった☆」
「あのさ、この馬鹿女の後始末お願いしてもいい?僕、担任に呼び出されてて・・・・・・」
「どーぞどーぞお気にさならず。オレ、この馬鹿女の顔だけは好きだから、任せておいて!」
「愛翔・・・何をしても構わないけど、僕に火の粉がふりかかるのだけは勘弁ね・・・」
「はーい」
もうそんなの分かってるって。オレを見くびってもらっちゃあ困るよ!こー見えてもオレは、完璧な遊び人なんだから!それも、夏蓮に振られた女限定のね☆
「おーい、気がつきましたか~?」
「あ、れ、私、さっきまで夏蓮君に告白してた・・・。ってアレ⁉夏蓮君はドコに行ったの⁉」
「ああ、アイツならもういないよ?」
「なんで、どうして⁉私の何がいけなかったの⁉」
それは、きっと"全て"だね。
「まあまあ、落ち着いて。君の事オレはいいと思うよ?(顔だけはね)だからさ、もうアイツの事なんて忘れちゃわない?オレと楽しいコトしよーよ?」
そう、楽しいコトを、ね。
「嫌、私、そんなに軽い女じゃないの!」
「ふーん。じゃあ、君は明日にはアイツのファンに袋叩きの刑に処されるけどいいんだね?」
「・・・どういう事・・・?」
「アイツに告白して振られた女の子は、アイツのファンクラブの女の子に袋叩きにされるんだよ?それも、とびきりコワーイ所でね(笑)」
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