綺麗な顔をした悪魔

｢え、あなた･･･??桜花学園の生徒って事しか分からないけど･･････｣

｢僕、椎名夏蓮って言うんですよ。英さんは、椎名って聞いて何かききおぼえはありませんか･･･??｣

｢嘘⁉まさか、あの･･･見捨てられたって有名な･･･‼｣

｢ええ、多分ソレ当たりですね｣

｢椎名ホールディングス社長の最初の息子･･･だよ、ね？｣

ああ、これでもう終わったな･･･。

ああなったらもうウチの夏蓮君は止まりませんから･･･。

｢僕の事･･･見捨てられた、ヘェ、世間ではそうやって思われているんだぁ。･･･赤の他人ごときに･･･??･･････それは、心外だねぇ｣

｢ｿﾞｸｯ･･････････!!!!!!｣

｢僕の事、あんたさ、カワイソウなんて思っていないよね？｣

｢思っているわよ。親の愛情をもらう事のできなかった残念なコドモってね｣

言うなぁ。コレ、ヤバい気がする･･･。

｢･･･橘。お前、ここにいるんだろう？今すぐ僕の言う事聞いてくれない？｣

｢･･･何のご用でしょうか。夏蓮様｣

｢今すぐこの女の戸籍、つーか、コイツの存在を日本から消してくれない？｣

｢かしこまりました。少々お待ち下さい、夏蓮様｣

｢え⁉何を言っているの⁉私にも分かるように説明してくれないかしら･･･??｣

｢･･･夏蓮様は、貴方様の生きていた存在を消したいそうです。･･･つまり、貴方様はこれから夏蓮様の奴隷にされるのです｣

｢どっ･･･奴隷･･･⁉｣

あーあ･･･。

｢ああ、言い方が少し悪かったかもしれません。貴方様はこれから夏蓮様に人生を奪われてしまうのです。･･･そう、全てをでございます｣

｢橘、無駄話はそれくらいにしておいて、できるだけ急いでね｣

｢･･･夏蓮様。準備が整いました。ですが、英様のご両親が夏蓮様にお話があるそうです｣

｢いいよ、ここに呼んでくれる？｣

｢かしこまりました｣

｢どうぞ中へお入り下さい｣

｢お父様、お母様･･･!!｣

｢美緒･･･すまない。私達は･･････｣

｢椎名夏蓮君、私達は美緒の事を夏蓮君にお預けします。あの子の事は夏蓮君の好きにしてくれて構わない。どうやら、私達の育て方に大きな間違いがあったようだ｣

｢そうですか、分かりました。僕にお任せ下さい｣

｢｢よろしくお願いいたします｣｣

｢え･･･⁉お父様、お母様、嘘でしょう･･･⁉｣