綺麗な顔をした悪魔
「は・・・⁉私、そんなの聞いてない!」
「(クスクス)だからね、オレと楽しいコトをして、全てをチャラにしちゃわない?」
「全てを、チャラに・・・??」
「そう。オレについてきたら、アイツとの事はなーんにもなくなる。要するに、全部なかった事にしてあげるってコト☆」
「本当にそんな事できるわけ・・・?」
「あったり前じゃん。オレ、こー見えてもこの学園の中で一番の金持ち。"西條コーポレーション"って知ってる?」
「もちろん。ウチのパパが大変お世話になっている大企業だもの。知らないわけがないわ」
「オレ、そこの一人息子。つまり、御曹司なワケ」
「は⁉まさか、あなたがあの"西條愛翔"なワケ⁉」
「ナニナニー?オレって有名なの?」
「有名も何も・・・この学園創立以来の大金持ちで、多額の寄付金を納めているから、この学園は実質あなたのモノで、あなたに逆らえばこの学園・・・と言うか、この日本では生きていく事ができないって専らの噂になっているわよ」
「わーお。それだけ聞いているとオレって超悪者みたいじゃん」
「フン、まあ、それもあながち嘘ではないんじゃない?あなたってこうやって毎回、あの人に告白して振られた女を食べちゃってるんだから」
「それは心外だなぁ。オレ、アイツを好きだった女を食うつもりは全くない。というよりは、アイツを好きな女って大抵金持ちが多いわけ。だから、オレはこうやってそういう女を脅すような真似をして、そいつらの親からお小遣いをもらうわけ。つまり、お小遣い稼ぎってヤツ」
「サイテー」
「どっちが?」
「君さ、アイツの事これっぽっちも好きじゃないでしょ?」
「は・・・??」
「アイツいつもならこんなにヒドイ振り方はしないもん。多分、君がアイツをオレを呼び出す為のエサとして使うようなマネをしたから、あんなに不機嫌だったんだよ。もー、そういう事されると、後でオレが大変なんだからやめてよねー」
「で、オレに言いたい事があるんじゃないの?聞いてあげるよ?」
「アンタのせいで私の友達の未希が親に怒られた!一言でいいから謝ってよ!」
「なんで?」
「未希、今まで親に一回も怒られた事がなかったのに、ただ好きな人ができて、告白して、振られただけで親に怒られるなんて理不尽だもの・・・・・・!!」
「告白した相手が悪いんじゃないの?アイツに告白したらどうなるかなんて知らない女がいるわけがないんだし、アイツが告白にOKするわけがないのも分かってるはずなんだから」