綺麗な顔をした悪魔
「多分、今夜にでも、君のお父さんの会社倒産するから。で、君は自分の身体を売ることになる」
「・・・・・・・・・・!?」
「あまり、オレを怒らせない方がいいよ?・・・もう手遅れだとは思うけど、オレって限度を知らないタイプってよく言われるんだよね~(笑)。・・・夏蓮に関わること限定でね」
「夏蓮、オレと一緒に夏蓮の担任のところまで行こう?釘を刺してあげるから。・・・まあ、向こうの出方次第ってところだけどね~」
「フフッ、キミ、僕に告白なんかして愛翔を呼び出そうとなんかしなければ、こんな目に遭わずにすんだのにね・・・」
「「これだから、馬鹿って困るんだよねー(笑)」」
この話は、自分の事を普通だと思い込んでいる西條愛翔(さいじょうまなと)と、彼の友人椎名夏蓮(しいなかれん)の話である。
ついでに言っておけば、愛翔の家は、日本で一番のお金持ちである。プラス世界的にも有名な資産家としても名が通っている。
全然普通なんかではない。
夏蓮の説明は今は詳しくはできないが、彼もなかなかのお金持ちである。愛翔と同等と捉えてもらっておいていい。
この学園に通う生徒はよく彼等を見るとこう言う。
「あの二人には、何があっても口答えしてはいけない」
「あの二人に関する悪口を言ったら普通に生きていけなくなる」
「普通に学園生活を送りたいなら、あの二人に無駄に接触しようとするな」
だがしかし、こういう風にも言われる。
「本当に何かが起きて助けてほしいときはあの二人のどちらかを頼るといい」
「必ず助けてもらえる」
「困っている人は放っておかない人達だから、そういう時の失言なら目をつぶってもらえる」
「だから、この学園に通っていて後悔した日は一日もない」
よって、あの二人はこう呼ばれている。
『天使のような悪魔』
と・・・・・・・・。