綺麗な顔をした悪魔
出会い

「ねー、愛翔、暇なんだけど?何か面白い事とかないの~?」

「え⁉いきなり⁉」

「だってさー、こないだのあの馬鹿女のせいで、最近僕達に逆らってくる人いなくなっちゃったじゃん!」

そうなんです。こないだのアレ結構ヤバかったんです。意外とあの馬鹿女金持ちの家だったらしく、TVニュースにもなっちゃって・・・。

「マジで愛翔のせい‼何もホントにあの馬鹿女に身体売らせるまで追い込まなくてもよかったじゃん!」

「だって、オレの夏蓮を道具にするから・・・・・・」

「愛翔が僕を超好きなのは知ってるけど、アレはやり過ぎですぅ。僕ですら同情しそうになっちゃったもん」

同情してないんですね。

「あー、どっかにいないのかな~?僕達にケンカ売ってくれる勇者が!」

いないと思います。

こないだのアレ、学園中の人が知ってるから。

「愛翔、話は変わるけどさ、最近の小学校って自分の親についての作文書かせないらしいよ。知ってた?」

「あー・・・知ってるかも・・・・」

知ってるも何もソレ夏蓮・・・キミの読んだ作文が原因ですよ?

「なんでだろうね?普通、小学校低学年の授業参観日とかで読ませそうなのに」

夏蓮くん・・・覚えてないんですか?あなたのアノ伝説の作文を・・・






















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20ΧΧ年、5月ΧΧ日、水曜日、天気晴れ

今日はボクの通っている小学校の授業参観日だった。
自分の親についての作文を読むことになっていた。
ボクはそこでものすごく強烈な作文を聞かされた。
その作文を読んだ彼の名前は、しいなかれんクン。
あの有名な椎名ホールディングスの社長の一人息子だ。
彼は、お父さんがそこの社長で、お母さんは麻美コーポレーションの社長をしている。
つまり、彼は両親共々社長の大金持ちなのだ。
お母さんの会社も有名なので、彼はとってもやっかまれていたと思う。
今日この作文を聞かされるまでは。





「いーよなー。しいなの家は。親が社長でさー、超お金持ちじゃん」

「わたし、将来、かれん君と結婚したーい」

「はー⁉無理に決まってるだろー。どーせ、もう許嫁とかがいるって!」

「じゃあ、アイジンでもいいよー」

「なあ、まなとはどう思う?」

「わたし、まなと君でもいいなー。だって、まなと君もお金持ちだよねー」




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