霧幻哀歌ー君と過ごした10 DAYSー
なんて不思議に思いながらゆっくり顔を上げると真っ黒で艶のある長い髪をポニーテールにしていて、籠を背負った男の人が目に入る。
男のあまりにも整った顔立ちに私は一瞬、呼吸を忘れてしまった。
「大丈夫か?具合でも悪いのか?俺、薬売ってるんだ。1つやるよ」
そんな気前の良い美丈夫から【石田散薬】と書かれたお薬を頂いた。
「私お腹痛くないんだけど」
「あ?そうなのか。まぁもらっとけ」
無意識に溢れた本音に嫌な顔一つせず返す男。
優しくて、かっこいい男の人に助けてもらうなんて。
そうか、これは夢なのか。
なら目が醒めるまで思いっきり楽しんじゃおう!
「何百面相してるんだよ気持ち悪い」