【完】恋歌

「凜音…もしかして、照れてる…?」

「…うるさい。黙れ」


こんなにも愛しいと思える存在に出逢えるなんて、いもしない神様とやらに、感謝してもいいくらいだ。


暗い暗い闇の中で。
本当に愛されたのは誰だったのかも分からないまま。
ただ、その生命をこの身に取り込んで、今まで長らえてきた。


いっそ、焼き尽くすなら、その全てで灼かれたい。
この愛しさも切なさも、全てまとめて灰にして欲しい。


< 71 / 79 >

この作品をシェア

pagetop