【完】恋歌
Side:凛音
途方もないことだと思った。
まさか、このまま二人で…死を選ぶだなんて。
けれど、そう強く望んできたのは、自分じゃないかと思い直した。
月が、陰る。
その途端、遠吠えを再開する狼達。
真っ暗に染まった空を見上げて、溜息を一つ吐く。
「武瑠…退け」
「凜音…?」
自分は、ハンターだ。
あくまでも。
この身が消えてなくなるまでは。