【完】恋歌

ちく


気付けば、その首筋に…尖った舌を差し出していて。
舐め取るように…時折吸い上げるように動かす。


「いいよ…凜音になら、全て奪われても、いい」


そんな彼の声に応えるように、自分は流れ出る彼の体液を貪った。



こんなはずじゃない。

自分の中の、ヴァンパイアの影を…覚醒させるはずではなかった。


なのに、どうしてか、それが今では歓喜に満ち溢れ、抱いていた憂いを掻き消していった。

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