【完】恋歌
悲しみではない、涙が溢れる。
ダンピールとして、討たなけれならない者に対し、心を許してしまった…罰。
それでも、彼となら…共に散ってもいいかもしれないと思った。
彼と共に、同じ闇の中で暮らせるのならば、それが一番良い方法だと。
強がりばかりで、自分の心に真っ直ぐには生きて来られなかった。
それに気付かせてくれたのは、他の誰でもない彼だった。
「凜音…これから…ずっと一緒にいよう…?」
どこまでも穏やかな…声。
それに静かに頷けば、また微笑まれる。
「どこにもいかない。貴女だけのオレだよ…」
それは、まるで…。
恋を歌うかのような甘い、甘い囁き。
いつの日か、二人共に灰になるまで…。
このアイに魅せられ…。
この恋に身を焦がそう…。
Fin.