3→1feet
勢いのままビルから出ると、冷たい風が遠慮なく私たちに吹き込んでくる。
そうだ、今日は雪が降るくらい寒い日だった。
「ホワイトバレンタインだ。」
甲斐くんが空を見上げて呟く。
その声はまるで子供みたいに楽しそうで、珍しい甲斐くんの姿に思わず見惚れてしまった。
「鈴原、ありがとう。俺からも、これ貰ってくれる?」
そう言ってカバンの中から小さな包みを取り出すと甲斐くんは私に差し出した。
包みを見ただけで分かる。
これは私が好きなお店のキャンディボトルだ。
「俺からの気持ち。さすがに花を贈る勇気が出なかったから、これを代わりにしようと思って買ってみた。」
俺の気持ち、その言葉に寒さを忘れて顔が赤くなる。
両手で受け取って改めてキャンディボトルを見つめた。
「あ、ありがとう。」
私の言葉に甲斐くんは歯を見せて笑って、そしてもう一度空を仰いだ。
「俺、鈴原が好きだよ。ずっと好きだった。」
雪と共に私に降ってくる甲斐くんの言葉が私の心を強く揺さぶって泣きそうになる。
「鈴原も同じ気持ちだって…俺のこと好きだって思っていい?」
すぐには声が出せなくて、その代わり何度も何度も頷いて鼻をすすった。
ちゃんと鈴原の声で聞きたいんだけどな、そんな笑い声が聞こえてもなかなか声が詰まって出てきてくれない。
何度か深呼吸を繰り返して落ち着きを取り戻すと、私は大きく息を吐いてから甲斐くんの目を見た。
「甲斐くんのことが好きです。」
甲斐くんが笑ってくれる。
つられて私も笑ってしまった。
そうだ、今日は雪が降るくらい寒い日だった。
「ホワイトバレンタインだ。」
甲斐くんが空を見上げて呟く。
その声はまるで子供みたいに楽しそうで、珍しい甲斐くんの姿に思わず見惚れてしまった。
「鈴原、ありがとう。俺からも、これ貰ってくれる?」
そう言ってカバンの中から小さな包みを取り出すと甲斐くんは私に差し出した。
包みを見ただけで分かる。
これは私が好きなお店のキャンディボトルだ。
「俺からの気持ち。さすがに花を贈る勇気が出なかったから、これを代わりにしようと思って買ってみた。」
俺の気持ち、その言葉に寒さを忘れて顔が赤くなる。
両手で受け取って改めてキャンディボトルを見つめた。
「あ、ありがとう。」
私の言葉に甲斐くんは歯を見せて笑って、そしてもう一度空を仰いだ。
「俺、鈴原が好きだよ。ずっと好きだった。」
雪と共に私に降ってくる甲斐くんの言葉が私の心を強く揺さぶって泣きそうになる。
「鈴原も同じ気持ちだって…俺のこと好きだって思っていい?」
すぐには声が出せなくて、その代わり何度も何度も頷いて鼻をすすった。
ちゃんと鈴原の声で聞きたいんだけどな、そんな笑い声が聞こえてもなかなか声が詰まって出てきてくれない。
何度か深呼吸を繰り返して落ち着きを取り戻すと、私は大きく息を吐いてから甲斐くんの目を見た。
「甲斐くんのことが好きです。」
甲斐くんが笑ってくれる。
つられて私も笑ってしまった。