Thistle and daisy
Chapter 1:On the roadside
道端のアザミがデイジーと隣り合わせで咲いていた。

元気のなさそうなアザミをデイジーが元気づけているようにも見えた。

それがなんとなく幸せそうに見えて。
何故かそう見えた。ただの花なのに。

あぁ、彼らは花だと言うのに。
どうしてこんなにも羨ましいのだろう。

自分の恋は叶わないからだろうか。
自分の想いは伝えられないからだろうか。

((このアザミ/デイジーになりたい。))

彼らがそう思ったのと溜め息が出るのは同時だった。
だけれど、同じ想いは平行線のまま交わらない。

1人は涙をこらえて。
1人は唇をかみしめて。

「…もう行くか。」

「…おう。」

二人は歩いていく。
哀が漂う背中は他から見れば友達には見えないだろう。

彼らの間が狭くなる。
肩と肩が触れ合う直前で止まる。

見えない壁が彼らを遮るように。
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