《完結》君と稽古した日々 ~アーサ王子の君影草~【番外編】
両掌を合わせて哀願するも虚しく、それは言い渡された。
「今更謝って頂いても手遅れです。さて、ジュリアン。貴方には──」
───最も日差しが強くなる午後の中庭に一人ぽつんとジュリアンの姿があった。
「!っ…もう、いろいろ……無理っ…そろそろ、限界…」
美しく整備されている石畳の小路の上でかれこれ一刻は〝正座〟しているだろうか。
今回強いられた仕置きは単純に〝中庭にて正座〟だった。制限時間は夕方、剣の稽古でラインアーサが中庭にやって来るまで。
一見こんな単純な事で罰になるのか? とタカをくくっていたが、一つの場所にじっとしているのが苦手なジュリアンに対し効果は十分だった。
それに加え、昼間の日差しで程よく熱せられた石畳の上に正座だ。初めこそ余裕ぶっていたがもうそろそろ足の感覚が無くなってきた。逃げようにもジュストベルに静止の煌像術をかけられており動けないのだ。
とても地味に思える罰だが、今まで受けた歴代の罰の中でも首位に喰い込むほどきつい物がある。それ程今回の〝茶葉事件〟はジュストベルの怒りを振り切ったという事だ。
「っく、ああ……やばいっ…俺もう、、アーサ早く…っ」
漸く陽が傾き待ちに待った夕方に差し掛かる時間帯だ。ジュストベルに捕まりさえしなければ街に繰り出して散々遊び回った後、ご機嫌に稽古の準備を始めてる頃だ。
しかし肝心のラインアーサがやって来ない。普段ならばとっくに来てもおかしくない筈。
ジュリアンは身動き取れない正座のまま思い切り空を仰いで主の名を叫んだ。
「おーい、アーサァ…」
「今更謝って頂いても手遅れです。さて、ジュリアン。貴方には──」
───最も日差しが強くなる午後の中庭に一人ぽつんとジュリアンの姿があった。
「!っ…もう、いろいろ……無理っ…そろそろ、限界…」
美しく整備されている石畳の小路の上でかれこれ一刻は〝正座〟しているだろうか。
今回強いられた仕置きは単純に〝中庭にて正座〟だった。制限時間は夕方、剣の稽古でラインアーサが中庭にやって来るまで。
一見こんな単純な事で罰になるのか? とタカをくくっていたが、一つの場所にじっとしているのが苦手なジュリアンに対し効果は十分だった。
それに加え、昼間の日差しで程よく熱せられた石畳の上に正座だ。初めこそ余裕ぶっていたがもうそろそろ足の感覚が無くなってきた。逃げようにもジュストベルに静止の煌像術をかけられており動けないのだ。
とても地味に思える罰だが、今まで受けた歴代の罰の中でも首位に喰い込むほどきつい物がある。それ程今回の〝茶葉事件〟はジュストベルの怒りを振り切ったという事だ。
「っく、ああ……やばいっ…俺もう、、アーサ早く…っ」
漸く陽が傾き待ちに待った夕方に差し掛かる時間帯だ。ジュストベルに捕まりさえしなければ街に繰り出して散々遊び回った後、ご機嫌に稽古の準備を始めてる頃だ。
しかし肝心のラインアーサがやって来ない。普段ならばとっくに来てもおかしくない筈。
ジュリアンは身動き取れない正座のまま思い切り空を仰いで主の名を叫んだ。
「おーい、アーサァ…」