《完結》君と稽古した日々 ~アーサ王子の君影草~【番外編】
暫くベッドに仰向けのまま天井を見つめていたジュリアンだったが、おもむろに起き上がると掛け布を引っつかみそのまま風呂場へと向かった。
「さむ……」
まだ陽が昇る前の冷たい空気が肌を刺す。
掛け布と着ている物を全て脱ぎ、平たく大きな洗濯たらいの中へと投げ入れた。まず、熱めの湯を出し全身を洗う。そのまま洗濯たらいにも湯をためて、洗濯用の洗剤を適量入れ十分に染み込ませると勢い良く足でふみ洗いをする。そうして下洗いした衣類を軽く濯ぎ、今日の分の洗濯物と合わせて浸け置く。その間に服を着て身だしなみを終えると一気に洗濯を終わらせ、陽が昇る頃には干し終わった衣類が秋晴れの空の下でそよいでいた。
「おし、完璧!」
干し終わった洗濯物を見上げ達成感に浸っていると、干してある衣類の影からリーナが顔を出した。今起きてきたのだろう、まだ寝巻き姿で眠そうに目を擦っている。
「おはよぉ、おにいちゃん。今日も早起きだね〜」
「おはようリーナ! 早く顔洗ってこいよ、朝めしは何にする?」
ジュリアンが問うとリーナはぱぁっと笑顔になり大きな声で答えた。
「お野菜たっぷりのオムレツ!」
「了解っと。ほんとリーナはオムレツが好きだよな」
「ちがうの、おにいちゃんのオムレツがだいすきなの! だってとってもおいしいんだもん!」
「はいはい、んじゃあ作っててやるから早く着替えて手伝えよー? あと母さん起こしてきて!」
「はーい」
毎日この様な流れで一日が始まる。
これがジュリアンの早朝の仕事だ。二人で朝食の準備を整えた後、サリベルを起こし三人で食事をする。
「ジュリアン、リーナ。毎日ありがとね」
「大した事ないって。俺、朝は得意な方だし洗濯だって母さんよりも干すの上手くなったもん」
「あはは、母として面目無い」
「いーよ、母さんとリーナはこれから仕事だろ? 食器も洗っとくから食べたらもう支度していいよ」
「ほんっと感謝! ジュリアンも今日は仕事?」
「んー、今日は王宮で定例会があるから準備と手伝い。午後からはアーサとじい様の授業入ってるかな」
「そっか! ジュリアンも頑張ってね。あっそろそろ支度しないと! リーナ早く早く!」
「あーんまって! もう一口だけ…」
朝の時間は慌ただし過ぎてゆく。サリベルとリーナは給仕服に着替えると王宮の持ち場へと向かった。
「さて、俺もそろそろ支度しないとな」
「さむ……」
まだ陽が昇る前の冷たい空気が肌を刺す。
掛け布と着ている物を全て脱ぎ、平たく大きな洗濯たらいの中へと投げ入れた。まず、熱めの湯を出し全身を洗う。そのまま洗濯たらいにも湯をためて、洗濯用の洗剤を適量入れ十分に染み込ませると勢い良く足でふみ洗いをする。そうして下洗いした衣類を軽く濯ぎ、今日の分の洗濯物と合わせて浸け置く。その間に服を着て身だしなみを終えると一気に洗濯を終わらせ、陽が昇る頃には干し終わった衣類が秋晴れの空の下でそよいでいた。
「おし、完璧!」
干し終わった洗濯物を見上げ達成感に浸っていると、干してある衣類の影からリーナが顔を出した。今起きてきたのだろう、まだ寝巻き姿で眠そうに目を擦っている。
「おはよぉ、おにいちゃん。今日も早起きだね〜」
「おはようリーナ! 早く顔洗ってこいよ、朝めしは何にする?」
ジュリアンが問うとリーナはぱぁっと笑顔になり大きな声で答えた。
「お野菜たっぷりのオムレツ!」
「了解っと。ほんとリーナはオムレツが好きだよな」
「ちがうの、おにいちゃんのオムレツがだいすきなの! だってとってもおいしいんだもん!」
「はいはい、んじゃあ作っててやるから早く着替えて手伝えよー? あと母さん起こしてきて!」
「はーい」
毎日この様な流れで一日が始まる。
これがジュリアンの早朝の仕事だ。二人で朝食の準備を整えた後、サリベルを起こし三人で食事をする。
「ジュリアン、リーナ。毎日ありがとね」
「大した事ないって。俺、朝は得意な方だし洗濯だって母さんよりも干すの上手くなったもん」
「あはは、母として面目無い」
「いーよ、母さんとリーナはこれから仕事だろ? 食器も洗っとくから食べたらもう支度していいよ」
「ほんっと感謝! ジュリアンも今日は仕事?」
「んー、今日は王宮で定例会があるから準備と手伝い。午後からはアーサとじい様の授業入ってるかな」
「そっか! ジュリアンも頑張ってね。あっそろそろ支度しないと! リーナ早く早く!」
「あーんまって! もう一口だけ…」
朝の時間は慌ただし過ぎてゆく。サリベルとリーナは給仕服に着替えると王宮の持ち場へと向かった。
「さて、俺もそろそろ支度しないとな」