《完結》君と稽古した日々 ~アーサ王子の君影草~【番外編】
「よし。メルテ! じゃあ中庭を案内するよ、行こう!」
「ハァ?! ヒトのハナシ聞いてた?」
「うん。でも俺、もっとメルテと話したいなって! 駄目かな?」
「……何ソレ」
「駄目ならまた今度でも…」
「ダメなんて言ってナイでしょ…!?」
どうやらメルティオールもラインアーサの謎の迫力には勝てないらしい。僅かに照れながらも嫌では無い素振りだ。
「あ! でも午後からはジュストベルの授業があるんだった!」
「……では、今日は特別に休業に致しましょう」
「やった! ありがとうジュストベル」
「あはは……」
授業が休業。その甘美な響きにいつもの様に飛び上がって喜びたいが今は複雑な気持でしかない。
「行こうよメルテ! ジュリも!!」
「チョットひっぱらないで! ったく、仕方ナイカラ付き合ってあげる!」
文句を言いながらも少し嬉しそうにラインアーサについて行くメルティオール。それに渋々と続くジュリアンの図が完成した。
───中庭に移動する廊下にて、周りに誰も居ないことを確認するとジュリアンはラインアーサに小さく声をかける。
「なあ、アーサ。ちょっと気になる事があって、後で…」
「ん? そうだった、何か話があるって言ってたよね。何か大事な話?」
「うーんでも、ここじゃあな」
ジュリアンはちらりと目線をメルティオールの方へと向けた。
「ム! 何ダ?」
「いや別に何でもありませんよ!」
咄嗟に苦笑いで濁したが逆にメルティオールの興味を引いてしまったようだ。
「アヤシイ……。何を企んでル?」
「へ? いや、何も。なあ、アーサ」
「え、うん!」
「フーン…」
メルティオールは歩みを止め、ジュリアンを頭の天辺から足の爪先まで品定めする様にじっくりと観察し始めた。
「な、何か?」
「……ベツに?」
そう言いながらもメルティオールは徐々に近付いてくる。美しく整った顔を間近に迫られ後ずさる。ついに壁際まで追い込まれて身動きが取れなくなった。
「や……わ、分かりました。メルティオール様にもお話ししますから! 俺から離れて下さい!!」
「フン!」
漸く解放された。
「ジュリ大丈夫か?」
「そう思ったなら助けろよー!」
「ご、ごめん」
「サア、早く話せ!」
「じゃあ庭園の間に着いたら……」
しかし中庭に入る事は出来なかった。
何故なら──。
「ハァ?! ヒトのハナシ聞いてた?」
「うん。でも俺、もっとメルテと話したいなって! 駄目かな?」
「……何ソレ」
「駄目ならまた今度でも…」
「ダメなんて言ってナイでしょ…!?」
どうやらメルティオールもラインアーサの謎の迫力には勝てないらしい。僅かに照れながらも嫌では無い素振りだ。
「あ! でも午後からはジュストベルの授業があるんだった!」
「……では、今日は特別に休業に致しましょう」
「やった! ありがとうジュストベル」
「あはは……」
授業が休業。その甘美な響きにいつもの様に飛び上がって喜びたいが今は複雑な気持でしかない。
「行こうよメルテ! ジュリも!!」
「チョットひっぱらないで! ったく、仕方ナイカラ付き合ってあげる!」
文句を言いながらも少し嬉しそうにラインアーサについて行くメルティオール。それに渋々と続くジュリアンの図が完成した。
───中庭に移動する廊下にて、周りに誰も居ないことを確認するとジュリアンはラインアーサに小さく声をかける。
「なあ、アーサ。ちょっと気になる事があって、後で…」
「ん? そうだった、何か話があるって言ってたよね。何か大事な話?」
「うーんでも、ここじゃあな」
ジュリアンはちらりと目線をメルティオールの方へと向けた。
「ム! 何ダ?」
「いや別に何でもありませんよ!」
咄嗟に苦笑いで濁したが逆にメルティオールの興味を引いてしまったようだ。
「アヤシイ……。何を企んでル?」
「へ? いや、何も。なあ、アーサ」
「え、うん!」
「フーン…」
メルティオールは歩みを止め、ジュリアンを頭の天辺から足の爪先まで品定めする様にじっくりと観察し始めた。
「な、何か?」
「……ベツに?」
そう言いながらもメルティオールは徐々に近付いてくる。美しく整った顔を間近に迫られ後ずさる。ついに壁際まで追い込まれて身動きが取れなくなった。
「や……わ、分かりました。メルティオール様にもお話ししますから! 俺から離れて下さい!!」
「フン!」
漸く解放された。
「ジュリ大丈夫か?」
「そう思ったなら助けろよー!」
「ご、ごめん」
「サア、早く話せ!」
「じゃあ庭園の間に着いたら……」
しかし中庭に入る事は出来なかった。
何故なら──。