《完結》君と稽古した日々 ~アーサ王子の君影草~【番外編】
「いや、問題はそんな事じゃあないんです──」
「問題ってやっぱり……例の二人組の事、だよね?」
ジュリアンは真剣な顔つきになり思わず声を潜めた。
「そう……。今話した怪しい二人組のうちの一人が今日開かれた定例会の参加者に居ると言ったら…?」
「え? 居るの?!」
「まだ確証を掴んだわけじゃあないんだけどさ、かなり怪しいんだ。なんて言うか聞き覚えのある声だったし、この国を田舎って馬鹿にするあたりも…」
「確かに、コノ国は辺境の地にあるしだいぶ田舎だナ! 長閑すぎて平和ボケしちゃいソウ」
「うう、確かに長閑だけど」
メルティオールにも田舎と揶揄されラインアーサと共にやや意気消沈する。
「……デモ、アイツが言ってたヨリもずっとイイ所だ。まあ、だからマタ来てやってもイイゾ」
「ほんと?! そう言われると嬉しくなるな、ありがとうメルテ! 俺も今度絶対マルティーンに遊びに行くよ!」
自国を褒められてラインアーサは満面の笑みをメルティオールに向けた。
「ッ…好きにスレば? ……デモ、そのアヤシイ奴ってもしかしてボクの知ってる奴カモ」
「いや。それがさ……。多分だけどルゥアンダ帝国の皇帝、ジャコウ様なんだ」
「ええ! ルゥアンダ帝国の?!」
「シーっ! 声がでかいって」
ジュリアンは思わずラインアーサの口を塞いだ。メルティオールは何かを考え込むように黙り込んでいる。
「……ヤッパリ」
「メルティオール様?」
「ねえ、ボク前に一回ダケ見たことあるんダ。ルゥアンダの皇帝と、父上の今の護衛の者が二人でコソコソ話してるトコ」
「今の護衛って今日グロス様の横に居た?」
ジュリアンは即座にあの目つきの悪い男の事を思い出した。
「ソウ。アイツはボクのコトがキライなんだ。ボクだってアンナ奴大キライだケドね! 父上は何でアイツを護衛にしたのか知らないケド、アイツが来てから……イヤ、何でもない」
「? ……じゃあ崖に居た二人組ってこの二人って可能性も」
「大いにアル。てゆーかソウなんじゃナイ?」
やけにキッパリと認める口ぶりだ。
「っ!! 仮にそうだとして、なんでグロス様の護衛とルゥアンダの皇帝があんな所で密会を?」
「うーん。あの時確か何かを出来るかどうかって確認してたよね。ますます訳が分からないや」
頭を捻ったが答えは見つかりそうになかった。メルティオールを除いては。
「問題ってやっぱり……例の二人組の事、だよね?」
ジュリアンは真剣な顔つきになり思わず声を潜めた。
「そう……。今話した怪しい二人組のうちの一人が今日開かれた定例会の参加者に居ると言ったら…?」
「え? 居るの?!」
「まだ確証を掴んだわけじゃあないんだけどさ、かなり怪しいんだ。なんて言うか聞き覚えのある声だったし、この国を田舎って馬鹿にするあたりも…」
「確かに、コノ国は辺境の地にあるしだいぶ田舎だナ! 長閑すぎて平和ボケしちゃいソウ」
「うう、確かに長閑だけど」
メルティオールにも田舎と揶揄されラインアーサと共にやや意気消沈する。
「……デモ、アイツが言ってたヨリもずっとイイ所だ。まあ、だからマタ来てやってもイイゾ」
「ほんと?! そう言われると嬉しくなるな、ありがとうメルテ! 俺も今度絶対マルティーンに遊びに行くよ!」
自国を褒められてラインアーサは満面の笑みをメルティオールに向けた。
「ッ…好きにスレば? ……デモ、そのアヤシイ奴ってもしかしてボクの知ってる奴カモ」
「いや。それがさ……。多分だけどルゥアンダ帝国の皇帝、ジャコウ様なんだ」
「ええ! ルゥアンダ帝国の?!」
「シーっ! 声がでかいって」
ジュリアンは思わずラインアーサの口を塞いだ。メルティオールは何かを考え込むように黙り込んでいる。
「……ヤッパリ」
「メルティオール様?」
「ねえ、ボク前に一回ダケ見たことあるんダ。ルゥアンダの皇帝と、父上の今の護衛の者が二人でコソコソ話してるトコ」
「今の護衛って今日グロス様の横に居た?」
ジュリアンは即座にあの目つきの悪い男の事を思い出した。
「ソウ。アイツはボクのコトがキライなんだ。ボクだってアンナ奴大キライだケドね! 父上は何でアイツを護衛にしたのか知らないケド、アイツが来てから……イヤ、何でもない」
「? ……じゃあ崖に居た二人組ってこの二人って可能性も」
「大いにアル。てゆーかソウなんじゃナイ?」
やけにキッパリと認める口ぶりだ。
「っ!! 仮にそうだとして、なんでグロス様の護衛とルゥアンダの皇帝があんな所で密会を?」
「うーん。あの時確か何かを出来るかどうかって確認してたよね。ますます訳が分からないや」
頭を捻ったが答えは見つかりそうになかった。メルティオールを除いては。