渋谷真斗を奪っちゃう!
おしゃべりしながら正門を出ようとしたオレたち。

「しぶやぁー!」っと、誰かがオレを呼んだ。

「え? 誰だ?」

 辺りを見回すオレ。

「こっちだよこっち!」

「え? え?」

 この時、仲間の1人がオレの肩をポンポンと叩いて右横を指差した。

「亜留ちゃんだよ」

「如月さんじゃねー?」

 別の仲間が指した方向に目をやると如月亜留の姿が目に入った。
 手を振りながらこっちへ駆け寄って来る。

 そしていきなり、オレの腕をつかんで仲間たちに言う。

「悪いけど、渋谷を借りるねー! ちょっと用事があるからー!」
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