初恋～ある女の恋愛物語～

『私の事が好きなの？』

一番聞いちゃいけない
事を聞いてしまった

これは都合いい女として最低の言葉だ

絶対口に出しては
いけない言葉

まるで私が正ちゃんを
求めているように
聞こえてしまう

言っちゃいけなかった

けど、その後悔は
正ちゃんの言葉で
少し軽くなっていった

『好きなのかも』

想像を絶する言葉だった

今までの正ちゃんなら
絶対言わなかった

こんなに真面目な
顔をして

そしてそれが
私達の関係に影響を
及ぼす言葉でもあった

告白とも取れる
その言葉

私の心はどこにあるのか自分でもわからないで
いたのに

また正ちゃんによって
私の心は迷路の出口から遠ざかってしまった

たとえそれが嘘の
言葉だったとしても
正ちゃんの口から出た
その言葉は私に大きく
響いていた

馨さんのように
私を想ってくれながら
きっぱり遊びだと
割り切ってくれた方が
良かったのかもしれない

正ちゃんの気持ちが
私に重くのしかかる

嫌いじゃないのに

正ちゃんがこんなに
辛そうな顔をして
私を求めるから