初恋~ある女の恋愛物語~
『大介…』

涙がポロポロ零れた

久しぶりに泣いた

涙も出ない冷たい女に
私はなっていた

大介の言葉が心を
揺らしていた

泣いている私を
大介は優しく抱きしめた

『そんなに俺じゃ
ダメなのか?』

私は首を横に振った

『じゃあ、何で…』

『大介を傷付け
られないから』

『俺を傷付ける?
何だよ、それ』

『私には遠距離は
耐えられないよ』

『決め付けんなよ!』

私にはわかっていた

でもその理由は言えない

私をそんな尻軽女だと
思われたくないから

自分勝手な私

大好きな人に
告白されたのに
受け入れられない

純粋な気持ちだけなら
すぐに受け入れたのに
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