初恋~ある女の恋愛物語~
大介は立ち上がって
私の前に立った

そして私の目を見てから私を抱きしめた

強く強く

私は泣いていた

大介の胸の中で
思いっきり泣いた

『愛してるよ、大介』

私の精一杯の言葉

大介はちゃんと
受け止めてくれた?

これで終わりの恋

時間がかかりすぎた

傍に居られたら
結ばれていたのに

大介が私に顔を
近付けてきた

私はそれを拒んだ

『もうそんな事
しちゃダメだよ』

大介は私の言葉を
無視して、唇を重ねた

大好きな唇の温もり

また何度もキスをした

抱き合いながら
何度も求めた

こんな事をしちゃ
いけないとわかって
いたはずだったのに

何度もキスをした後

大介は私の手を握り
私を抱き寄せた

『俺、千穂の事
守ってやりたいよ』

『気持ちだけでいいよ』

大介の優しさにまた
胸が締め付けられた

こんな最低な女を
本気で想ってくれてる

それだけで良かった

もう会えなくてもいい

仕方ない

こんなに想い合って
いる私たちなのに
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