初恋～ある女の恋愛物語～

ようやく電話を切り
みんなのとこに
戻ろうと振り返った

その時…

目が合ってしまった

さっき話しかけてきた
怖い男の人

うそ…

聞かれた？

つい興奮して
周りに人が居るか
なんて気にしてなかった

ヤバいよ…どうしよう…

彼の名前…何だっけ？

確か浩太さんだっけ…

彼は気まずそうに
私の顔を見ていた

絶対さっきの話
聞かれてたはずだ

もっと小声で
話せば良かった…

そろそろ別れなさい
なんて警告かもしれない

『浩太さん、今の話…』

『ごめん。聞くつもりはなかったんだけど。
千穂ちゃん探しに来たら聞こえてしまって』

あぁ、やっぱり

最悪のパターンだ

相手が誰かなんて事は
わかっていないにしてもこの状況は良くない

正ちゃんの彼女にバレて修羅場になって…

頭の中は最悪の結末が
浮かんできていた

でも、何とかしなくちゃ

口止めしておかなくちゃ