初恋~ある女の恋愛物語~
正ちゃんと一緒に
居るときもメールが来た

『おっ!仲良く
やってんのか?』

正ちゃんの反応は
私をがっかりさせた

私に興味がない証拠

昔からわかっていた

でも私は正ちゃんを
求めていた

その日は浩太さんに
返信もせずに
正ちゃんに抱かれた

『返事しないの?』

その言葉を無視して
私は自分の唇を
正ちゃんの唇に重ねた

『俺の事、そんなに
好きなのか?』

正ちゃんの自信に
満ちた質問

『正ちゃんは、私を
捨てられないくらい
好きなの?』

私は答えもせずに
逆に質問をした

『俺は千穂を
捨てられない男か…』

考え込む正ちゃんの
真剣な瞳

『俺は千穂の全てに
惚れてるのかもな』

『じゃあ結婚して』

正ちゃんの目が
大きく見開かれた

『嘘だよ』

私はクルッと
正ちゃんに背中を向けた

『嘘かよ…』

ホッとしたように
聞こえた

『そんな事真剣に
言ったら、本気で私を
捨てるでしょ?』

『捨てられたくない?』

『さぁね』

背中を向けたまま
私は答えた
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