初恋~ある女の恋愛物語~
『私に男が出来ても
関係ないって事?』

『そうだよ。俺ら
そういう関係だろ?』

少しだとしても
正ちゃんと離れたくない
と思った事を後悔した

『私に本気の恋愛を
させないつもり?』

『本気かどうかは
千穂の勝手だよ。
俺には関係ない』

どうなってるの?

正ちゃんの
あっけらかんとした
態度に腹が立った

少しは私を好きで
いてくれたんじゃ
なかったの?

その場にある
コーヒーを、顔に
ぶっかけてやりたい

そんな衝動にかられる

自分を落ち着かせる為にタバコに火をつけた

煙を吐いても
心の中の怒りは
吐き出せなかった

『それでもいいって
言ったのは千穂だろ?』

その言葉で私は
戦意を喪失した

この関係から
抜け出すには
とても時間が
かかりそうな気がした

自分で蒔いた種だから
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