初恋～ある女の恋愛物語～

『正ちゃんの彼女は
幸せだね。何も
知らないんだもんね』

『脅すつもりかよ？』

『そんなわけ
ないでしょ。私は
そんな女じゃない』

『千穂とは憎み合って
別れたくはないんだよ』

『俺は千穂じゃなきゃ
抱かないんだから』

『嘘つき！他にも女が
居るんでしょ！』

『そんなの居たら
会社まで行かねーよ』

正ちゃんはズルい

突き放してみたり
引き寄せてみたり

正ちゃんの上手な
私の扱い方

私が少しでも嬉しいと
思ってしまう言葉を
出してくる

ズルいよ、正ちゃん

『彼女以外は私だけ
だとでも言いたいの？』

『もちろん、そうだよ』

もう狂ってしまいそう

こんな感情があるだけで浩太さんを裏切ってる

そんな自分がイヤだ

締め付けられるような
痛みが胸に走る