初恋~ある女の恋愛物語~
胸が痛まないと言ったら嘘になる

浩太さんへの罪悪感は
大きくなるばかり

私を救ってくれようと
必死な浩太さんの
気持ちを踏みにじって
しまっている

もちろん馨さんは
浩太さんの心配も
してくれていた

ちゃんと大事に
してもらうんだぞ
なんて他人のように
言っている

そんな権利はないのに

『約束とかは、俺より
彼氏を優先させろよ』

『そんなの当たり前!』

私たちは笑い合った

ようやく笑顔で
話す事が出来た

これからが困難なのに

2人で居られる時くらい笑っていたいと思った

いつの間にか、ワインの瓶がカラになっていた

飲み過ぎたかな…

そう思いながら
最後のグラスのワインを飲み干した
< 238 / 409 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop