初恋~ある女の恋愛物語~
お酒も進んで、料理も
ほとんどカラになった

そろそろ話さなきゃ

私は心を落ち着かせた

一息ついてから
話そうとしていた

私が話そうと顔を
上げると、正ちゃんが
逆に口を開いた

『俺たち、これで
終わりにしよう』

私は目を丸くした

なぜ正ちゃんから?

全てが狂った

私の思考回路が
バラバラになっていく

『正ちゃん?』

正ちゃんは私の目を
見ていなかった

そして話し始めた

『いっぱい千穂に
辛い思いさせてきて
ごめんな。でも俺は
千穂を愛した事
後悔してないよ』

私を愛していた?

何を言ってるの?

遊びだったはずだよね?

私たちは最初から
愛し合ってなんか
いなかったじゃない

それなのに愛していた
なんて言われても…

『私を愛していた
なんて笑わせないでよ』

ようやく言葉に出来た

『本気だよ!でも
それが千穂を
苦しめていたんだよな』

正ちゃんの言葉は
本気なのか…

正ちゃんを信じる
自信がない

『でももう終わり』

終わりを告げるのは、
私ではなくて
正ちゃんだった
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