初恋~ある女の恋愛物語~
『俺、結婚しようと
思ってるんだ』

『何で?』

思わず呟いてしまった

正ちゃんは笑顔で答えた

『会社の出世の為かな。結婚したら支店長
として、転勤出来る』

『結婚してなきゃ
出世出来ないの?』

『そういうわけじゃ
ないんだけど』

正ちゃんの笑顔が
造り笑顔だとわかった

『子供が出来たのね?』

正ちゃんは何も言わず
ただ頷いた

『良かったじゃん!
正ちゃんの子供なら
きっと可愛い子供
だと思うよ!』

私は喜びを表した

正ちゃんが私を
愛していた

ただそれだけで
満足出来ていたんだ

私はただの暇つぶしの
相手ではなかった

とても嬉しかった

『幸せにしてあげなきゃダメだよ!』

『うん。頑張る』

本当に終わりを
迎えられる

長い関係だった

弄ばれて、何度も
泣かされた

もうそんなのも
いい思い出

お互い笑顔で別れられる

良かった、
憎み合わなくて

『正ちゃんには、
たくさん泣かされたけど私は良かった。
正ちゃんと出会えて、
本当に良かった』

自分の気持ちを
素直に現した
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