初恋～ある女の恋愛物語～

代行を呼び、正ちゃんは立ち上がった

私は上着を着せた

『携帯出して』

そう言って、正ちゃんは自分の携帯も出した

『俺の携帯から
千穂の名前を消して』

手渡された携帯

画面に表示された
私の名前

どう言い訳するつもり
だったのか、私の名前はフルネームで
登録されていた

私も正ちゃんの名前を
画面に出して、携帯を
手渡した

ボタンを押す前に
正ちゃんを見た

正ちゃんも私を
見ていた

そして同時に消去した

これでお互い
けじめをつけた

本当に終わり

携帯を返して、また
正ちゃんの目を見た

私は自分から
正ちゃんに抱きついた

正ちゃんも力いっぱい
私を抱きしめた

最後のぬくもりを
確かめるように