初恋~ある女の恋愛物語~
『千穂、愛してる』

抱きしめ合ったまま

正ちゃんが言った

『ダメだよ。
そんな事言っちゃ!』

『じゃあ、愛してた』

『私も正ちゃんの事
愛してた』

自然と腕に力が入る

もう二度と触れられないこのぬくもり

ようやく離れた
私たちは、見つめ合って唇を重ねた

激しく求めた

正ちゃんの少し乱暴で
激しいキスは
いつにも増していた

長く激しいキスを
終わらせるのが
惜しいと思った

ようやく離した唇を
今度は軽く合わせた

『さよならだね』

『うん。さよならだな』

最後は笑顔で
手を振っていられた

幸せになってね正ちゃん

私も幸せになるから

静かに閉まっていく
玄関の扉

パタンと閉まる音

ようやく終わった…
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