初恋~ある女の恋愛物語~
ゆったり浸かれるバスタブ

足を伸ばしてもまだ余裕がある

ゆっくりバスタブに浸かりながらこれから起こる事を想像していた

私は彼に抱かれるのだろうか

心臓がドキドキしてくる

初めての相手は馨さんでいいの?

そんな疑問が駆け巡る

ほとんど恐怖に近い

私の想像の中では痛みしかなかった

怖くてたまらない

バスタブで膝を抱えた

言われた通りに自分が脱いだ物を洗濯機に入れた

バスローブの下は何も着けていない

その恥ずかしさは想像を絶する物だった

全身が映る鏡を目の前にしてこれから汚れた体になる自分の体を見つめた

純粋な体よさようなら

いつかは訪れるであろうこの瞬間

ドキドキを抑えて私は彼が待つ部屋へ足音をたてないように向かっていた
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