初恋~ある女の恋愛物語~
翌日、ママが病室に来た

悲しそうな表情をして

『私が反対しなかったらこんな事には
ならなかったのにね』

と私の手を握った

『ママのせいじゃない』

その言葉と同時に
また涙が溢れる

ママは私を抱きしめた

私はママの腕の中で
声をあげて泣いた

ママが帰った夕方

病室のドアを
ノックされた

今度は誰?

今は誰にも会いたくない

それでも私は“どうぞ”と受け入れた

数秒間の沈黙

イタズラかよ…と
少し苛立つ

その時、ドアが
ゆっくり開けられた

私は入ってきた人の
顔を見て、絶句した

現実を受け入れられず
ただ呆然としていた
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